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第4章「決壊」




11.

 (誰か、助けてくれる人を!)
 心の中で呪文のように呟きながら、ミレニィは城の廊下を疾走する。もう随分とこうして走っていた。普段から文学系で、体術面はてんで駄目なミレニィにとって、これだけの全力疾走は大いに負担がかかる事である。心臓が爆発するのではないかと思うくらいの鼓動を打ち、空気を一生懸命に吸っても、苦しくなるばかり。だが、立ち止まる事は出来なかった。立ち止まるなどという考えは、今のミレニィの頭からは完全に消えうせていたのだ。それくらい、無我夢中だった。
 助けてくれそうな人物に心当たりは無かった。そもそも、ここが城のどこかすらよく分かっていないのだ。仮にそういう人物が居たとしても、その人物にいち早く辿り着く方法を、今のミレニィは持ち合わせていない。だからこうして、誰か人は居ないか捜しまわって居たのだ。
 ところどころ血や埃でボロボロのローブをまとった魔法学生の姿など、人々に見られれば城中大騒ぎものだろうが、夜はすっかり更けてしまっている。城のほとんどの機関は業務を終了させ、ほとんどの者は眠りについている時間だった。だから、ミレニィが大泣きしながらバタバタと走り回っても、なかなか人とめぐり合える状況ではなかったのだ。せめて見回りの警備兵にでも、と思ったが、彼らの姿さえ未だに見えない。自分はとうとう天にも見放されてしまったのか。
 (誰も、助けてくれないの?)
 絶望感が心の中に押し寄せる。シズクは、ちゃんと待っていてくれているだろうか。あんな状態だ。早くどうにかしないと、彼女の命は今度こそ本当に消えてしまうだろう。
 (お願い……誰か!)
 涙目でミレニィがそう思った時だ。角を曲がった先に、幾人かの人影を認めることが出来た。何事かを話しながら、彼らはゆったりとした足取りで廊下を歩いていたようである。
 良かった! と心の中で叫ぶと、走る速度を更に上げて、廊下を歩く人間達に近づいていく。前方に迫る人影は、3人だった。走ってくるミレニィから並々ならぬものを感じたのだろう。一瞬ざわつくと、その場に3人同時に、立ち止まったようだ。
 「――――」
 歓喜の感情で埋め尽くされていたミレニィの胸が、彼らの姿がなんとか確認できる距離まで近づいた所でどきりと悲鳴を上げる。それまで感じていた焦りだとか悲しみといったもの以外の感情が突然胸の中に浮かんでくるのが分かった。目の前に居る、3人の正体が分かってしまったからだ。部屋を飛び出して以来初めてミレニィは、走るのをやめた。

 「魔法学校生が、こんな時間にどうしたの……?」

 ミレニィのローブを見て、彼女が魔法学校の生徒である事を悟ったのだろう。3人組のうちの一人、形の良い眉をしかめながら言ったのは、この城の者なら誰でも知っている人物だった。
 ウェーブのかかった金髪に、勝気そうな印象を与える緑の瞳。見る者を惹き込む魅力に溢れた容姿は、間違いない。この国の第一王女、リサ・ラグエイジである。夜中まで外出していたのだろう。未だに彼女は、国立学校の制服を身に纏っていた。
 「…………」
 肩で息をしつつ、ミレニィはリサ王女の隣に居る人物に目を見張る。艶やかな黒髪と、同じ色の瞳を持つ少女。ミレニィ自身もそれなりに見られる容姿であるとは思うが、それもきっと、彼女の足元には全く及ばない。エラリア国のアリシア姫だ。彼女もまた、ミレニィを見て、目を丸くしているようだった。そして――

 「何か、あったのか?」

 涼やかなテノールが、ミレニィの耳にすとんと入ってきた。ずっと、こんな風に側で聞けたらいいなと思っていた声だ。まさかこんな状況で、その願いが叶うとは夢にも思わなかった。出来ればこんな形では叶わないでほしかったとさえ思えるけれど。
 涙で濡れる瞳で見上げると、視線の先には若葉を思わせる爽やかな瞳があった。国中の誰もが憧れる人だ。文句のつけようが無い程に整った顔は、今は怪訝な色で埋め尽くされている。ミレニィの出で立ちから彼も尋常ではない事態を感じているようだ。
 「リース王子……」
 少しずつ彼のほうに歩を寄せながら、ミレニィはそう零していた。リース・ラグエイジ。ずっと想いを寄せていた人である。
 先日の出来事から、彼がシズクと知り合いである事は知っていたし、それが単なる顔見知りで済ませられないほどに親密である事もなんとなく悟っていた。彼にこの事を伝えたら、一体どんな反応をするのだろうか。一瞬、そんな考えが頭の中に浮かんでくる。しかし、ふっと苦笑いを零して首を横に振った。答えは、もう自分の中で決まっているではないか。
 「助けてください! 私にはもう、どうにも出来なくて」
 「助け?」
 意を決して口を開くも、何から説明すれば良いか分からなくなる。案の定リース王子はミレニィの慌てぶりと、発せられた言葉の突拍子の無さに眉をしかめている。一体これまでの経緯をどう説明すれば良いのだろう。自分の中でもよく消化できていないのだ。そう簡単に、人に説明できるはずがなかった。
 「その……えっと……シズクが」
 「――――」
 しかし、ミレニィがその名を呟いた直後に、どう説明しようだとかそんな考えは、どこか遠くへ飛んでいってしまった。彼が浮かべたあまりの表情に、胸が大音量で鼓動を打つ。一際大きく目を見開くと、痛々しいくらいに真剣な瞳と視線がぶつかった。
 爽やかな緑の瞳の中には自分の姿がしっかりと映りこんでいるのに、彼は決してミレニィを見てなど居ないと知れた。こんな表情のリース王子を、自分は見たことがあっただろうか。心の中で自らに問うが、否という回答が返ってきただけだ。どんなに厳粛な公務の場でだって、ここまでの顔はしないだろう。彼がこんな思いを向ける相手は、そんなに多くは無いだろう。詳しく説明する必要など、最初から無かったのだ。シズクの名前だけで、彼は状況を悟ってしまえるのだから。
 「……場所は?」
 しばしの沈黙の後、彼の口から発せられた声は低く、極力感情を押しとどめたようなものだった。またどきりと心臓が鳴ったが、慌ててミレニィは思考を切り替える。
 「え? えっと……地下の、獅子の扉がある部屋で――」
 ミレニィの横を風が通り抜けたのは、そこで、と更に言葉を続けようとした時だった。え。と思ったときにはもう、つい一瞬前まで目の前に居た人物の姿は無い。慌てて振り返ると、遠ざかって行く彼の後姿だけが見えた。そこでようやく、さきほどの風は自分の横を王子が走りぬけた時に起こったものだと気付く。
 「…………」
 しばし呆然と、彼が走り去る姿を眺めていたミレニィだったが、ふんっと荒い息が聞こえた事で、意識がそちらへ引き戻される。
 「あーまったく! いつもは我関せずって感じなのに、こういう時だけちゃっかりしちゃってるんだからー!」
 普段からやりなさいよね、普段から! と、かなり不服な様子で言ったのは他でもない、リサ王女である。腰に手を当てて憤慨するも、彼女の表情にはどこか柔らかいものがあった。
 絶世の美姫と謳われる彼女の意外な姿に、ミレニィはまたもや違う意味で放心してしまう。リサ王女の存在は知っていたが、澄ました顔でドレスを纏い、公務の場につく彼女の姿しか見たことが無かったのだ。ここまで豊かに表情を変える彼女を目の当たりにすると、普通の女の子と大差ない。そんな、当たり前だが忘れかけていた事実を静かに悟る。
 「それよりリサさん、シズクを!」
 「えぇ、そうね」
 アリシア姫の一声で、ぱっと真剣な表情を取り戻すと、リサ王女はこちらへ視線を向けてきた。リース王子に良く似た色の瞳は、先ほどの彼の表情を思い出させるのに十分な効果を発揮していて、ミレニィは少しドキドキしてしまう。だが、王女の真面目そのものといった表情が、ミレニィの気持ちを少しずつではあるが引き締める手助けをしてくれた。
 「知っているかも知れないけれど、私はリサ・ラグエイジ。貴方、名前は?」
 「ミレニア・エレスティンです」
 「そう、ミレニアね。ミレニア、シズクを助けるのに、手を貸してくれるかしら?」
 問われてミレニィは、力強く首を縦に振る。シズクを助ける。他でもない、自分はそのためにここまで走って来たのだ。
 涙はいつの間にか止まっていた。その代わりに、胸の奥で使命感にも似た気持ちに火が灯る。思いをそのまま、真っ直ぐ王女へ向けた。
 ミレニィの様子に満足げに瞳を細めると、リサ王女はアリシア姫へと目配せする。
 「アリス。セイラ様の元へ」
 「えぇ、そうですね」
 張り詰めた表情で、アリシア姫は頷いた。
 「ミレニアさん。私はアリシア・ラントです。私たちと一緒に、師匠……水神の神子、セイラーム・レムスエスの元へ来て頂けませんか。そして、シズクの居場所まで私たちを案内して欲しいんです」
 アリシア姫の神秘的な瞳に見つめられて、どぎまぎする。きっと、本当の美少女とはこういう子の事を言うのだ。
 だが、ミレニィの心をさらっていったのはその事だけではなかった。むしろ、彼女の言った『水神の神子』という言葉の方に唖然としてしまう。水神の神子というと、大陸の要人ではないか。そんな人物まで絡む事に、シズクは関わっているというのか。
 様々な事が一度に起こりすぎて、ミレニィの頭はくらくらしていた。実はこれは夢で、今すぐベッドの上で目が覚めたとしてもミレニィはすんなり納得してしまうだろう。しかし、決して夢ではないのだ。今起こっているのは紛れも無く現実で、早く何とかしなければシズクが危ないという事も間違いが無い。
 了承を伝える意味で、ミレニィは力強く頷いた。そうして彼女ら二人に促されて、夜の廊下を走り出す。走りは少しずつ速度を増し、次第に疾走へと変わっていく。
 「…………」
 息を切らせながらミレニィはもう一度、リース王子が走って行った方向を振り返ってみた。もちろんその頃には彼の後姿など完全に姿を消してしまっていて、どこにも見ることは出来ない。だが、先ほどの彼の表情は決して頭から離れる事はなかった。
 そっと胸を押さえると、ずきりと静かに痛みが走る。けれども、涙はもう出てこなかった。枯れてしまった訳では無い。彼を……リース王子をもう一度強く好きになる一方で、決して手の届かないものを見た後の、諦めの感情が湧いてくるのが分かったからだ。






 淡いオレンジ色に包まれる廊下を、リースはほとんど無心で走り続けていた。無駄に天井が高い廊下に、靴音はよく響く。しかし、時間が時間であるため城はほぼ寝静まっているのだろう。誰かに出くわすような事はなかった。
 一体どれくらいの間、こうして走り続けただろうか。いくら体力に自信があるといっても、既に息は切れ始め、足と肺が先ほどから悲鳴を上げ続けている。
 何故こんなにも夢中で、自分は走るのだろう。頭の片隅にそんな疑問が浮かんだが、答えは出そうに無かった。ただ頭の中が真っ白になって、思考がまわり始める前に、身体が勝手に動き出していたのだ。先ほどのあの魔法学生の少女が何処の誰で、シズクと一体どんな関係にある人物であるかも聞きそびれた。我ながら慌てすぎであると思う。
 (地下の、獅子の扉――)
 幸いにもそれは、リースが知っている場所であった。殆どおぼろげにしか覚えていない上に、その場所の存在を知れたこと自体奇跡に近かったから、本当にこれは偶然の産物であるのだけれども。
 「――――っ」
 ぴたりと立ち止まると、それだけで脱力感が全身を襲い始める。視線の先には、地下へと続く、いかにも怪しげな階段が、口を広げて待ち構えていた。久方ぶりに感じるその雰囲気に息を呑むが、それも一瞬の事だ。大きく息を吐いてから、リースは地下へと足を急がせていた。
 まるでこの先にあるものを、人々の目から隠したがっているかのように、階段は長い。本当に終わりが来るのかと、以前下りた時には不安に駆られたものだ。
 昔、まだ好奇心旺盛な幼子だった頃だ。地下へと続くこの階段の魅力に負け、決して下りてはいけないと言っていたネイラスの忠告を無視して、下った事がある。そして、最下層であろう開けた場所で、幼いリースは灰色の厳つい扉と、すらりとした女性に出会ったのだ。リースに気付いた女性は、扉に近づこうとする自分をやんわりとした動きで止めた。「貴方様にはまだですよ。いつかそのうち、訪れる日が来るでしょう」そう柔らかい声で諭されて、彼女と共にその場を離れたのだ。
 ほとんど女性の姿は記憶から掻き消えていたが、すうっと通った鼻筋と、彼女の瞳の色に、酷く引き込まれた事だけ覚えている。瞳の色は何色だったか……あれは確か、例えようの無い、深い――



 「……シズク?」



 再びリースが足を止めたのは、灰色の扉の先に続く部屋に入った時だった。
 あの頃は仰々しい封印の数々で決して開く事は無いだろうとさえ思えた扉が、あっさりと開け広げられている。そのことにも驚かされたが、部屋に入って、そうして目に飛び込んできた光景に、リースの胸は一際大きく鳴いた。
 天井だけがやけに高い、殺風景な部屋が眼前に広がる。等間隔に設けられたランプは、魔法の力である事を示す薄青色をしていた。青白い光は白い床に反射して、一種の調和を生む。だが、ところどころに落ちた紅い点が、均整の取れた調和を見事に打ち砕いてしまっていた。毒々しい花のように、白い庭に咲き誇る紅。その中心には焦げ茶髪の少女が一人、座り込んでいる。
 絶句するリースの目の前で、彼女はこちらを振り向いたようだった。
 「――――」
 確かに彼女は、リースのよく知った少女であった。先日口論した時の様に魔法学校のローブに身を包み、焦げ茶色の長い髪はポニーテールにしてくくってある。旅の仲間でもある、見習い魔道士のシズク・サラキス。
 しかし、別人のような印象を持ってしまうのは何故だろう。幼い印象を与える容姿が、今は酷く大人びて見えるせいだろうか。それとも、彼女の周囲に収束する重々しい空気のせいだろうか。リースでも簡単に感じられてしまう程の魔力の奔流が、シズクを中心に沸き起こる。その姿にどこか、禍々しささえ感じてしまい、背筋に冷たいものが走り抜けた。
 「リース?」
 酷くぼんやりとした瞳でシズクは、それだけ呟く。耳を撫でた声が、いつもの彼女のものであった事に大いに安堵しつつ、リースは慌てて彼女の元へ駆け寄っていた。体が自分のものでないように重い。全力疾走後の疲労だけが原因ではないだろう。
 近づいてみると、彼女の状況がリースの予想以上に悪いという事がありありと感じられる。一番目を惹いたのは、紅く染まった右肩だったが、そんなものは些細な怪我だとすぐに気付かされる。普段のような活発さを、シズクから欠片も感じられなかったからだ。血と涙に濡れて、酷い有様だった。リースがそっと肩を抱いた瞬間に激しく呻くと、シズクの口からは紅い血がどろりと吐き出される。それを視界に入れて、身体が強張るのが分かった。かけようとしていた言葉さえ、どこかへ消えていってしまって全く分からなくなる。
 「あはは……格好悪いよね」
 血を吐いて落ち着いたのだろうが、未だに息は荒く、苦しそうな様子に変わりは無い。それでもシズクは笑うと、ばつのわるそうな笑顔をリースに向けてきた。あの頃の。旅の間に、よく見せていたものとちっとも変わらない表情と、今のこの状況とのギャップに、息が詰まる。
 「少しは成長したつもりだったけど、勘違いだったみたい。わたしって相変わらずドジで……」
 「そんな事――」
 「ごめんね、リース。何とか出来たらいいんだけど……」
 そこまで紡いでからシズクは、目を逸らしてどこか遠くを見るようになる。その時には笑顔は、彼女の顔からすっかり消えてしまっていた。
 ありえないくらいに震えるシズクの身体。ローブが皺くちゃになるくらい強く自身の腕を抱くその姿から、何かに耐えているのだろうかと思った。抱いた肩から伝わる彼女の体温は冷たくて、生気がどんどん抜け出していることを物語っているようだ。
 なんて自分は無力なのだろうと思う。慌ててここまで来たはいいが、自分に出来る事など一つも無いではないか。
 真っ白になる頭を現実に引き戻したのは、シズクの呻く声だった。また血を吐いたのかと慌てて視線をそちらへやるも、白い床に零れ落ちていたのは紅い血ではなく、キラキラと輝く――涙だ。
 「……シズク?」
 「ごめ……リース。本当にごめんなさい。戻って、きたかったけど……もう一度皆に会いたかった、けど……わたしは、帰ってきたら駄目だったのかも知れない」
 嗚咽に埋もれながら、シズクは必死でそう零す。彼女の言葉の意味するところが理解できずリースは困惑するが、すうっと自らの方を向いた青い瞳に、胸を打ち砕かれたような衝撃が走って一瞬何がなんだか分からなくなった。
 とめどなく涙を零し続ける瞳の色は、深い、言いようの無いブルーだ。光の加減によって見え方が変わる、不思議な瞳。シーナの子孫、ティアミスト家の魔道士のみが持つ独特の色。そうだ、昔ここで出会った女性の瞳も、こんな色をしていた。

 「……お願いが、あるの」

 震える手で、シズクがリースの腰に下げられた剣に触れてくる。普段城ではあまり帯剣しないが、ボディガードね。と言って姉のリサに無理矢理押し付けられていたものだった。
 「もし、わたしがわたしじゃ無くなったら……全部駄目になる前に……わたしを――」
 「馬鹿な事言うな!」
 シズクが言わんとしている内容を悟って、はじかれたようにリースは叫んでいた。手が、震える。この剣で止めろと。要するに殺せと、そんな事を望んでいるのか。果たしてシズクは、そんな事を自分に懇願するような人間だっただろうか。
 今彼女に何が起こっているのか、自分には全くわからない。決して良いとは言えない状態なのは確実で、このままいくと、恐ろしい結末を迎えてしまうのではないかという予感は確かにあった。でも……そんな事、出来る訳がない。そんな事をするために、自分はここに来た訳じゃない。
 「……やだよ。このままじゃ駄目だよ! このままだと、わたしはっ!」
 「それでもいい! 死のうとなんてするな!」
 鋭く怒鳴ると、意味も分からず無我夢中で、泣きじゃくるシズクを、抱きしめていた。



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