追憶の救世主

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閑話「白銀のセンティロメダ」

11.

 ――目の前には、闇が広がっていた。
 何故追い出されたかは覚えていない。だが、幼い日のあの夜、リアラは家から放り出されてしまったのだ。
 貧しい家だったから、養いきれなかったのかもしれない。物心ついた時から病弱だったリアラを世話するのに疲れてしまったからかもしれない。様々な憶測は浮かんだが、全て憶測の域を出ないものだ。やがて、無意味だと悟って考えるのをやめた。過去を振り返るより、これからの未来を生きていこうと思った。
 そう思えたのは、一人ぼっちではなかったからだ。いつでも隣に、同じ境遇の元、自分と同じ顔、声、髪を持った『彼女』が居てくれたから。
 彼女は自分にとっての闇の中の『光』だったのだ。

 「でも、本当はね。気付いていたの」

 ぽつりと独り言を零す。
 窓の外には膨らみかけた月が見える。暗い部屋の中、月光は銀のヴェールを静かにこちらへ投げかけてくる。きらりと銀の髪がそれに答えるように輝いた。
 月の化身、センティロメダ姫と同じ銀の髪。
 全ての精霊から愛され、栄光と賞賛の只中に身を置く人。一生に一度の激しい恋に生き、そして死んだ人。
 だが、所詮は髪の色が同じだけ。自分に物語の中の彼女のような加護が与えられるかと言うと、そうではなかった。むしろ、加護などとは無縁の世界に生きた。
 それでもここまで来れたのは、やはり『彼女』の存在のおかげだろう。本当に、言葉で言い表せないくらいに感謝している。愛している。

 「でも、心のどこかで、私はアナタを恨んでいたのかもしれない――」

 「姉さん。このままじゃぁ私……姉さんを死へと追いやってしまうかも知れないの――だから」

 「だから私――」



◇◆◇



 翌朝、割と早くにシズクは目が覚めた。
 別に朝が苦手という訳では無いが、昨夜は疲労があった上に床に就いた時間が遅かったのだ。そういう日の翌日は、たいてい寝坊するかギリギリになってしまうシズクにしては珍しい現象だった。劇場へ向かうには、大分余裕がある。生あくびをかみ殺すと、シズクは寝巻きのまま部屋を出た。早朝であったし、階下の食堂には誰も居ないと思ったのだ。朝のお茶でも宿屋の奥さんに作ってもらおう。そう思った。

 「……おや、おはようございます」

 階下に下りるなり、お茶をすする丸眼鏡の好青年と目が合い、シズクはしまったと思った。
 「お前、着替えろよ」
 セイラの影からひょっこり顔を出す金髪少年の姿に、硬直する。
 「いいじゃない。昨日は疲れていたんだし、まだ出発までには時間があるんでしょう?」
 リースの横からそうフォローを入れるアリスを目にして、いよいよシズクはやってしまったと思った。
 「皆、朝早いんだね……」
 がっくりと肩を落としつつ、この場で突っ立っていても仕方が無いのでシズクも彼らのテーブルの席につく。朝食とお茶の匂いが空腹なシズクの鼻をくすぐる。
 シズク以外の3人は、早朝と言うのにきっちりと身支度を整えていた。対するシズクといったら。起きたままの格好なのだ。白色の寝巻きに身を包み、髪の毛は櫛も入れていない始末。さすがにまずいと思い、とりあえず手櫛で整えてみるが、無駄なあがきだと自分でも思う。
 「そういう風に髪を下ろしていたら、シズクさんも大人っぽく見えますねぇ」
 おたおたしているシズクを前に、微笑ましいものを見るかのようにセイラが言った。だが、この状況ではその言葉もあまり嬉しくない。とりあえず、あいまいな笑顔だけを返しておく。
 そういえば、髪を下ろせば良いのに、とアンナにもよく言われた。そうすればその童顔も少しはマシになるのに、と何度ため息を零されたか分からない。だが、下ろしたままだとこれが実に動きにくいのだ。だから、特別な日は例外として、普段はついつい一つに束ねてしまう。
 第一、下ろしたら童顔が『マシ』になるなんて、それはまるで……童顔に負けたみたいで嫌じゃないか。
 そんなどうでも良いような意地で、ポニーテールにし続けているのだ。本当にしょうもないとは思うが。
 「リースは別として、師匠と私は今日が特別よ。魔法連に早朝から呼び出されちゃったのよ」
 お茶の入ったカップを両手に包んで、アリスが気だるそうに言う。連日の事情聴取で、彼女の表情からは疲労の色が見え隠れしていた。早朝からとなると、今日も一日長引いてしまうのだろうか。
 アリスの一言で場は一時静まる。と、そこへシズク用の朝食とお茶が、宿の奥さんの手によって運ばれてきた。テーブルの上に香ばしいパンの香りと甘い茶の匂いが立ち昇ると、シズクのお腹が鳴る。茶を一口飲むと、起きたてでぼーっとしていた頭が少しだけしゃんとなった。
 「……それはそうと、例の劇場のお嬢さんの護衛はどうですか?」
 いつも通りのにこにこ笑顔でそう言うと、セイラはお茶に口をつける。彼にしてみたら、何気ない世間話でもしているつもりだろう。だが、シズクとリースにとってはそうではなかった。両者は急に黙り込むと、打ち合せした訳でもないのに、お互いの顔を見合わせる。きっと、お互いが暗い表情を浮かべていると思ってるのだろう。そうシズクは胸中で呟く。
 「?」
 質問した方であるセイラは、二人のそんな様子に首をひねっている。
 「依頼は……」
 濁った声で、シズクはとりあえずそこまで言葉を紡ぐ。しかし、そこまで紡いでからリースと目が合ってしまう。エメラルドグリーンの瞳は、まったく解せないといった色を浮かべていた。しばし見詰め合う二人だったが、
 「ま、ぼちぼちってとこかな」
 他でもないリースが、シズクから目線を逸らすと、気だるそうに言った。



◇◆◇



 リアラさんが関わっている――
 昨日の夜、シズクがリースに言った言葉だ。レアラ襲撃の事件には、確実に彼女の妹であるリアラが関わっている。そうシズクが確信しての言葉だった。その突拍子も無い内容に、リースはあからさまに怪訝な表情をむき出しにしていたっけ。
 確かに、証拠はどこにもないし、実の姉であり、妹の事を第一に考えているレアラをリアラが襲う理由も見つからない。始めはシズクもこの考えを否定しようとしたクチだ。リアラという人を見ている限り、とてもじゃないが、そんな事をしでかしそうな人に見えなかったからだ。だが――

 「なぁ。本当に、リアラさんは今回の事件に関係しているんだな?」

 劇場へと向かう道すがら、最終確認をするような声でリースが問うて来た。その顔は解せない。未だに信じ切れていないという表情だ。……まぁ、無理もないが。
 「十中八九当たりだと思う。昨日も言ったように、リアラさんからは確実に『魔力』を感じるのよ」
 横を歩くリースの方へ瞳だけ向けて、シズクは昨日説明した事と同じ事を言う。その言葉に、リースはうーんと唸り始める。どう解釈してよいのか迷っている様子だ。
 「……もちろん、魔力を感じただけで彼女を疑うのは筋違いだと思う。魔力の高い人っていうのは一般人にも多いらしいし。ただ、彼女から魔力を感じた『時』が問題なのよ」
 「というと?」
 「わたしがリアラさんから魔力を感じた時っていうのはね、彼女が体調を崩して寝込んでいる時だったの。……これがどういう事だか分かる?」
 シズクの問いかけに、リースは分からないと答える代わりに首を横に振った。
 「つまりね、彼女の突然の発熱は、『炎の精霊』によって起こされた『擬似的な熱』だったとも考えられるのよ」
 「擬似的な、熱!?」
 驚いてリースは大声を上げた。彼の声に、シズクは神妙な面持ちで頷く。
 昨日、リアラが体調を崩したと聞いて、シズク達はレアラと共にリアラの寝室を訪れた。その時だ。寝室に足を踏み入れた瞬間に、シズクは妙な気配を感じていたのだ。なんともいえない感覚だった。あまり感じた事がない部類のものだ。そう――魔法を行使した後の、魔力の気配だ。
 過去に一度、似たような事を親友のアンナが行っていたのを思い出す。ノートルの店まで駄菓子を買いに行く当番をサボるために、アンナがその高度な魔法テクニックを用いて擬似的に熱を出させたのだ。これが大もとになって、シズクはセイラに同行を依頼される事になったのだが……まあそれは置いておいて。
 「擬似的に熱を出させる。それってつまり、仮病を使ったって事になるんじゃない? レアラさんは、リアラさんの薬を買いに行くために外出した時に限って、何者かに襲われているんでしょう?」
 「なるほどな。姉を夜の街へおびき寄せるために、魔法を使って熱を出したように見せていた。そう考えると辻褄が合うってわけか」
 「そういうこと」
 端的にシズクはそれだけ言うと、リースの方を向く。視線の先の彼は、先ほどよりは納得した様子だった。だがそれも長くは続かない。再びうーんと唸りだすと、怪訝な顔でシズクと目を合わせてくる。
 「でもさ、一体何の目的があるっていうんだよ。リアラさんが実の姉を陥れて何か得でもするっていうのか? しかも、もし仮にリアラさんが仮病を使ったとして、例のチンピラの件は金か何かで雇ったと考えられても、闇の精霊の件は? 一般人のリアラさんに、闇の精霊を操る程の力は無いと思うけど」
 「……結局、そこで行き詰まっちゃうのよね」
 わたしも同感。とシズクは呻いた。小さく息をつく。
 リアラが仮病の様な方法で熱を出したふりをしていた事は、ほぼ確定だろう。その結果として、レアラを夜の街へ導いていたという事も辻褄が合う。
 だが、仮にリアラが犯人だとして、彼女がそこまでしてレアラを襲う理由があるかというと、シズク達が考える限りでは無かった。むしろ、今回の魔力云々の事がなかったら、リアラは一番犯人から程遠い存在として認識されていただろう。
 それに、例の闇人形の件はこれだけでは説明がつかない。魔道士見習いであるシズクですら見たことがない魔法を、体の弱いリアラが使えるとは思えないからだ。魔道士を雇ったなら別だが、そもそもあのように闇の精霊そのものを従えられる程、闇の精霊と相性のよい人間がこの世に存在するかどうか、はなはだ怪しい。精霊から力を借りる『魔法』を行使する事は魔道士の専売特許だが、精霊そのものを『操る』事は魔道士の域を超えた行為だ。
 (精霊を操る……そんな事普通は出来るものじゃない。そんな事が出来るのは――)

 「――え?」

 そこまで思考を巡らしていた時だ。突然シズクの中に、ある一つの可能性が閃いた。思わず声を上げてその場に立ち止まってしまう。隣を歩いていたリースは何事かとこちらを訝しがった。
 (まさか……)
 思考は止まらない。むしろ、より深いところまでシズクを誘ってゆく。
 (病弱な体質。漂う魔力。……そして、あの『薬』)
 思い出したのは、昨日の夜の出来事だった。薬と称してレアラが妹のリアラのために買ってきた物は、繊細な形をした褐色の瓶だった。シズクはてっきり、それは服用する薬かと思ったが、実際は違った。瓶の中に満たされていたものは液体ではなく粉末で、レアラはリアラに、その粉を振りかけたのだ。
 あんなタイプの薬、シズクの記憶の限りでは見たことが無い。薬は体内の毒を和らげるタイプのものがほとんどだ。つまり、体内に入れるのが原則である。貼り薬や塗り薬なら別だが、振りかけただけでは普通ならばおよそ効果は望めない。それをレアラは振りかけた。熱で苦しんでいる妹の体に。そしてその薬は現実に効果を表している。驚くほどの速さでリアラは癒えたのだから。
 あの粉は『薬』ではない。そうシズクは確信していた。もっと他の、魔力を伴う部類の物だ。医薬品というよりは、どちらかというと魔法陣を描くための粉のようなものに近しいはずである。
 様々なものが頭の中を過ぎる。そしてそれは、シズクの仮説を一つずつ裏付けていくものになった。
 (もしかしたら、リアラさんは――)

 「――おい」

 だが、思考は確信へと変わる直前で中断された。隣にいるリースの一言によって。
 てっきりシズクは、考え事に没頭している自分に対して、リースが怒っているのかと思った。それだけ彼の声が、やけに鋭かったからだ。
 「?」
 だが、リースの顔を見た瞬間に、そうではないという事が分かった。リースは、怖いくらいに真剣な表情を浮かべ、シズクと目が合うと前方へと目配せするのだ。現実に舞い戻ると、周囲の様子はさきほどと大きく変わっている事に気付く。
 促されるままに、シズクは前方を仰ぐが、
 「……何?」
 思わず言葉が零れる。
 歩いているうちに、シズク達は劇場周辺まで辿り着いていたらしい。視線の方向には、劇場の役者やスタッフ専用の小さな出入り口があった。いつもならば時間外はそれほど人がいない扉。だが今は、その周辺に何故だか6、7人ほどの人だかりが出来ている。普段は静かなその場所は、おそらく劇場のスタッフ達であろう者達の喋り声で埋め尽くされていた。様子がおかしい?
 「……何かあったらしいな」
 不安そうに前方を見据えるシズクの隣で、真剣な表情のままリースが小さく漏らす。
 確かに何かあったらしいことは容易に想像できた。人だかりの中にイアンとベスの姿を見つけたからだ。その場にいる彼らは皆、いつになく深刻そうな表情を浮かべている。イアンなどは特にそれが顕著だった。青ざめた顔で取り乱しており、すぐ隣にいる男性に諭されている。
 咄嗟にその場の様子に違和感を感じたシズクだったが、すぐにその違和感の正体に行き当たった。レアラだ。普段ならばイアンの隣にいるはずの彼女の姿が、一行に見えない。
 ざわりと心臓がなった気がした。昨夜感じたのと、似たような感覚。何かが起こる前触れのような――
 「シズクさん、リースさん!」
 シズク達の姿に気付き、イアンが声を上げた。その顔色は蒼白で焦りに染まっている。彼の声で、それまで深刻そうに話し合いのようなものをしていた劇団員達の視線は、一気にこちらを向いた。
 立ち尽くすシズク達の元へイアンが小走りで駆け寄ってくると、一気にこう言った。
 「大変なんです! リアラが居なくなってしまったんです。それに気付いたレアラも、僕達に声も掛けずに探しに出てしまったようで……あと一時間で、昼の部が開演だというのに……!」



◇◆◇



 ばんっという大音量を立ててシズクはリアラの寝室の扉を開いた。肩で息をしている。ここまで急いで走ってきた事だけが、心臓の鼓動を早める原因ではないだろう。
 ほとんどの劇団員は、必ずしもレアラの身を案じている訳ではなかった。いくらなんでもこんな朝っぱらからチンピラがレアラを襲うはずは無い。そう思っているのだ。彼らが一番危惧しているのは、レアラが本番までに帰ってくるかどうか、だ。世界中から貴族や豪族が見に来るこの劇『白銀のセンティロメダ』を突然休演する訳にはいかないからだ。
 おそらく、シズクと同じ気持ちで今この場にいるのは、リースと、後はイアンとベスくらいのものだろう。
 ――とても嫌な予感がする。
 寝室は以前来たときと変わらぬ簡素な様子だった。異変は見当たらない。ただ一つ、部屋の主が居ない事を除いては。
 「それです!」
 シズク達に遅れて部屋に入ってきたイアンが、ベッド横の机を指差した。
 言われてシズクは彼が指した方を見つめる。視線の先にある机の上には、一枚の紙が置かれてあった。ゆっくりと机に近づくと、シズクはそれに手を伸ばして取り上げる。そして、紙の上で整列している美しい筆跡を目で追った。隣にいるリースも真剣そのものの表情で、紙上の文字に視線を注いでいる。
 「…………」


 ――姉さん、私はこれ以上姉さんの側に居てはいけないと思うの。
 姉さんを傷つけようとするものの全ての元凶は私なの。
 黒くてどろどろした嫉妬にまみれた、私。
 かの嫉妬に燃え狂った王子のような最期が、私に用意された道なんだと思う。
 だから私、行くわ。
 やるべき事をやるために。
 姉さん、今まで――


 「バカじゃないの!?」
 シズクがそこまで紙面の文字を読んだところで、左側からそんな怒号が聞こえた。イアンと共に部屋までかけつけたベスだった。
 「本当にバカだわ! あの姉妹、この二十数年間支え合って生きてきたんじゃなかったの?」
 全身を怒りで震わせながらベスは叫ぶ。悲痛な面持ちだった。


 ――今までありがとう。そして、さようなら。
                  リアラ


 「今まで、お互いの何を分かり合っていたっていうのよ!」
 「…………」
 それきりベスは口をつぐむと肩を上下させる。興奮で息が荒い。それは、怒りからくるのだろうか。それとも――
 「……リアラさんの行方にレアラさんは心当たりがあったんですか?」
 騒然となった場を元に戻したのはリースだった。彼はそうイアンに尋ねると整った容姿に真剣な色を乗せる。
 「僕には何とも……でも、手紙に行先が書かれていない以上、レアラはやみくもに探し回っているんだと思います」
 「とすると、リアラさんを見つけるのが先決か」
 顎に手を乗せる仕草をすると、リースは独り言のように言った。
 確かに。とシズクも思う。
 シズク達の考えが正しければ、レアラが襲われた一連の事件に、リアラは確実に絡んでいる。という事は、二人きりの状況でリアラとレアラを会わせてしまうのは非常に危険である可能性が高い。レアラがリアラを見つける前に事を収めないといけない。
 レアラはリアラを追って飛び出していったのだ。彼女がリアラの行き先に心当たりはないと予想される事からして、今頃は町中を手当たり次第に探している事だろう。そんなレアラを見つけるよりは、行き先が固定されているだろうリアラを見つけるほうが容易い。手紙にも『やるべき事をやるために』とある。ただし――
 「問題は、リアラさんがどこに行ったか。だよな」
 シズクが考えていたまさにその事をリースが口に出す。
 そう。リアラを探すにしても、肝心の彼女の行き先はというと、謎のままなのだ。彼女が残した手紙には、残念ながら手がかりになるような事は書かれていない。事態は八方塞がりに見えたが、
 「……ねぇリース」
 ここにきて、先程からずっと沈黙を保っていたシズクが口を開いた。そして、隣に立つリースに視線を寄せる。
 「わたし。一つだけ、手がかりを知ってそうな人に心当たりがある」
 え。とイアンとベスが声を漏らしたのが分かった。リースの真剣な瞳とぶつかる。視線の先の彼は、シズクの発言に驚いている感じではなかった。
 「……俺も。たぶん同じ事考えてた」
 部屋の中は、先程とは種類の異なる沈黙で満たされ始めている。しばらく視線を合わせたまま沈黙していたシズクとリースだったが、
 『……魔法連支部だ』
 二人ほぼ同時にそう言葉を紡いだ。



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